当院のメインテナンス
むし歯や歯周病を
悪化させる
バイオフィルムとは?
歯の表面に形成される細菌の集合体が、口腔疾患の根本原因となっています。台所の排水溝に発生するヌメリと同じように、細菌が作り出す粘着性の膜がバイオフィルムです。
歯を磨いてから時間が経つと、細菌が歯面に付着を開始します。最初は少数でも、2日で爆発的に増え、3日目には歯ブラシでは除去困難な強固な防護壁を作り上げます。特に歯の隙間や歯ぐきとの境目など、清掃しにくい場所で繁殖しやすいのが特徴です。
通常の歯磨きやうがいでは、この成熟したバイオフィルムを完全に取り除けません。
バイオフィルムによる影響

バイオフィルムが歯を覆うと、唾液が直接歯に触れられなくなります。唾液には歯を修復する成分が含まれていますが、その恩恵を受けられず、歯が弱くなっていきます。
特に歯ぐきの溝でバイオフィルムが繁殖すると、体の防御反応として白血球が集まってきます。ところが細菌は強固な膜に守られているため、白血球の攻撃は効果がありません。結果的に自分の歯ぐきだけが破壊され、炎症が悪化する悪循環に陥ってしまうのです。
放置すれば歯を支える骨まで溶かされ、最終的に歯を失うことになります。
バイオフィルムを
除去するEMSエアフロー

セルフケアでは限界があるバイオフィルム除去に、EMSエアフローが威力を発揮します。
超微粒子パウダーを水と空気で噴射し、歯面の汚れを効率的に除去します。従来の機械的清掃と異なり、歯や歯肉を傷つけることなく、隅々まで清掃可能です。
歯間部や歯周ポケット内部など、器具が届きにくい部位の清掃もできるので、予防効果が格段に向上しました。
EMSエアフローのメリット
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01
歯の周りの組織を
傷つけない処置前に特殊な染色液で汚れを可視化し、必要な部分だけを狙い撃ちします。無駄な刺激を与えず、効率的な清掃が可能です。
回転ブラシによる従来法では、歯に微細な傷がつくリスクがありました。エアフローなら、均一な圧力で優しく汚れを除去できるため、歯面を傷めません。 -
02
EMSplusパウダーの
むし歯・歯周病
予防効果エリスリトールという糖アルコールを主成分とするパウダーには、むし歯菌の活動を抑える作用があります。キシリトール以上の予防効果が科学的に証明されています。
歯周病菌がバイオフィルムを作るのを妨げる働きもあり、二重の予防効果を発揮します。ほのかな甘みがあるため、処置中も快適です。 -
03
体に優しく、
痛みもほとんどない「高圧洗浄」と聞くと痛そうですが、実際はほとんど痛みを感じません。冷たさが苦手な方には温水を使用するなど、細やかな配慮も可能です。
短時間で広範囲を清掃できるため、長時間口を開けている必要もありません。定期的に受けることで、口腔内の環境が劇的に改善されます。
その他の
メインテナンス処置
- PMTC
- PMTCは、歯科専用の治療器具と研磨剤を用いて、歯の隅々まで磨き上げる処置です。歯に付着した汚れや細菌を徹底的に除去できるため、お口の中がさっぱりとします。また、PMTC後は汚れや細菌が歯に付着しにくくなるため、高い予防効果が期待できます。
- フッ化物塗布
- 歯にフッ素を塗布する処置は、むし歯予防の重要な方法の一つです。
高濃度のフッ素が歯の表面に作用すると、エナメル質が強化されて酸に溶けにくくなります。初期むし歯の再石灰化も促進され、進行を食い止める効果があります。むし歯菌の活動も抑制するため、予防効果が長期間持続するのが特徴です。 - ブラッシング指導
- 歯科衛生士による個別指導で、効果的な歯磨き方法を習得していただきます。
むし歯や歯周病の元凶であるプラークを確実に除去するには、正しい技術が必要です。歯並びや歯ぐきの状態は人それぞれ異なるため、画一的な方法では不十分です。
適切な歯ブラシの選択から、力加減、動かし方まで、オーダーメイドの指導を行います。日々のケアの質が向上すれば、歯科治療の必要性も減少します。 - 食事指導
- 軟らかい食事が中心の現代では、歯や歯周組織の健康に必要な栄養素を十分に摂取できません。栄養バランスの偏りは、むし歯や歯周病のリスクを高めます。
当院では食事内容をお聞きし、口腔健康に適した食材選びや調理法をアドバイス。噛む機能を維持できる食事バランスも含めてご提案いたします。 - 咀嚼指導・筋機能訓練
- 軟食により噛む回数が減ると、口腔周囲筋が衰えて不正咬合や嚥下障害を引き起こします。これは全身のフレイル(虚弱)にもつながる問題です。
一方、過度な噛みしめは歯や歯周組織を破壊します。適正な咀嚼圧と筋肉の使い方を身につけることが大切です。個々の状態に応じた筋機能訓練により、口腔機能の改善を図ります。
定期健診の流れ
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STEP1問診と歯茎のチェック

初めに歯科衛生士が歯ぐきの状態を詳しく診察します。炎症の程度や口臭の有無から、潜在的な問題を早期発見できることもあります。
痛みや違和感など、患者様が感じている症状をお聞かせください。小さな変化でも治療の手がかりとなるため、遠慮なくお話しいただければ幸いです。症状によってはレントゲン検査も実施いたします。 -
STEP2歯茎の検査

歯周病の状態を数値化するため、プローブという器具で歯周ポケットを測定します。健康な歯ぐきは1〜3mm程度ですが、炎症があると深くなっていきます。
出血の有無や歯の揺れも重要な診断基準です。これらのデータを継続的に記録し、改善度合いを客観的に評価。結果は図表を用いて分かりやすくご説明いたします。 -
STEP3歯垢の染め出し・
バイオフィルムの可視化
磨き残しを赤く染める特殊な液を使用します。鏡を見ながら、どこに汚れが溜まりやすいかご自身で確認していただくことが大切です。
多くの部分が染まった場合、日頃の清掃方法を見直す必要があります。使用中の歯ブラシやフロスについて詳しく伺い、より効果的なケア方法をご提案いたします。 -
STEP4EMSエアフロー・PMTC

パウダークリーニングで染め出された汚れを一掃します。水と超微粒子の力で、歯を傷めることなくバイオフィルムを除去できるのが特徴です。
次にPMTCによる研磨で歯面を滑らかに整えます。しつこい歯石は手用器具で慎重に取り除き、最後まで徹底的にきれいにしていきます。 -
STEP05フッ化物塗布

クリーニング後の清潔な歯面に、高濃度フッ素を作用させます。30分の飲食制限により、フッ素が歯質に浸透し、むし歯への抵抗力が高まります。
継続的な塗布で、より強固な歯質を作り上げることが可能です。
1~3ヶ月に1回の
定期メインテナンスと
ホームケアで清潔な口腔内を
維持しましょう

定期的なメインテナンスは、健康な口腔環境を保つための大切な習慣です。当院では、1~3ヶ月に1回のメインテナンスをおすすめしています。プロによるクリーニングで、普段の歯磨きでは取りきれない汚れや歯石をしっかり除去し、むし歯や歯周病のリスクを抑えます。
また、患者様の口腔状況に合わせたホームケアのアドバイスも行っております。日々のセルフケアと定期的なメインテナンスを併用し、清潔で快適な口腔内環境を一緒に守りましょう。



